Woman
とにかく忘れるので。
いい作品観ても、読んでも忘れてしまったりするので。感想と記録を残す意を込めてブログスタート。
安室ちゃんのコンサートのチケット申し込みしたさに、Huluのお試しで視聴という
なんとも不純且つたまたま感満載で観ましたが、まあ~素晴らしいよね。名作ですよね。
例にもれずカルテットにもハマったし、最高の離婚もいつかこの恋を……もかなり好きだったし、いつかは観るドラマリストには入ってましたけど、いやはや年明け早々すごいもの観ちゃったんじゃないかって余韻がまだ抜けません。
いやなんていうかね、すべてにおいて生々しい。
例えば小春一家が初めて母親の住む実家にきて、ちくわチャーハンたべるシーンとか。初めはわりかし和やかだったのに、不穏な雲行きになって喧嘩する。この長いシーンでセリフだけで展開していく流れにただただ感嘆。
さらにすごいのが、そのあと登場人物たちが普通に生活しているということ。
たとえば、小春×栞の大喧嘩。栞が本当のことを告白して、小春が知って激怒する。このシーンももう、二人の天才の演技のぶつかり合いで息とめて観ちゃうくらいなんだけど、翌日小春は当然あと引いている。もう母親一家には絡みたくなくて、「なまけものさん」なる義父とも子供たちを引き離そうとするんだけど、子供に根負けしてお祭りにつれていく。
おみこしかついでるのを朗らかに笑ってあとを歩いてく小春見て、ああそうなんだよねって。一見わかんないんだよね。大変でもこういうふうに笑ってたりするし、
大変なことの真っただ中でも大変な顔ばっかしてるもんじゃない。
同じように、お母さんと喧嘩したあとも、小春が普通にお母さんとそのあとしゃべったりもするところ観てそうそうって。飲み込んでく日常が。ということを退屈させずに、物語を進めながらも45分間のドラマとして成立させてることのすごさ。
普通、喧嘩してる→話し合い(または第三者の意見)→和解みたいな、プロットみたいな場面がどうしても登場してしまいそうなのに、このドラマではぶつかり合いが日常の中に溶け込んでる。
最初の方で、母親と対立したあとに小春が子供達との帰り道の階段で突然泣いてしまうところでも思った。そうなんですよね、感情が漏れ出るのは、その場だけじゃない。全然ズレたところで漏れ出るのが日常てもんですよね。
かといえば、セリフだけがすごいのかと言ったら決してそうではなくて。
小春が食事の途中に体がしんどくて畳に倒れこんじゃった時、子供たちを心配させまいとそのまま泳ぐふりするシーンだとか。(このとき小春の表情を出さなかったのが秀逸!)
小春が病院で病気の告知をうけるとき、絵本「ウーギークック」の文章を重ねて、
あえて診断は観てる方に一切聞かせないところだとか。
栞が小春のドナーと一致したことが分かるのにも決して「一致した」とは誰にも言わせずに小春を取り巻く人達の反応でわからせる場面だとか。
(この時の、満島ひかりの信さんの写真を見ている表情!思い出しただけで鳥肌立つ)
セリフに頼り切らずに想像を喚起させるのもすばらしいなって。そこも素晴らしいのかって。
役者も皆すばらしかった。
満島ひかり、本当いいですよね。
あの少女と大人の女性が混じり合ってる感じ。線の細い体つきなのに、中のぶっとい芯の強さみたいなものがどうしたって伝わってくる。そのギャップたまらない。
子役の子もよかったな。女の子うまいし、男の子の無邪気な感じもよかった。
田中裕子、そんでね。年末に山田太一の「想い出づくり」を観たばかりだったので、個人的にその印象が強くてもう……あの色っぽい娘さんが、「おばあちゃん」になってる!!!香織もあの後こんなことあったのかあ、て、二つの話が混乱した。
あと二階堂ふみね、あああさすがです。カラオケシーン、実はあれ、リアルタイムで観てた。何の拍子かわからないけど、あの二階堂ふみと田中裕子の壮絶な場面だけ。前後観てなくてなんの話か全然知らないのにめちゃくちゃ覚えてるけど、これもうすごいことだよね。無論、田中裕子も含め。
影がある若い女の子の女優さんってとこでいったら右に出るものいないんじゃないかって思う。栞が彼女じゃなかったら全然違う作品になってたかもしれない。
初回からめちゃくちゃ長くなってしまった。
これはウーマンが素晴らしすぎたせいかもしれない。
こういう、プラスチックっぽくないドラマが好みなんだな。単純に。
勢いで書きすぎて滅茶苦茶だけど、何かの記録になることを願ってもう寝よう。